アイアンリーガー寸劇〜IRON MISSIONへの道のり〜
[第九試合] シルバー三兄弟の記憶
- 「ねえ三人とも!どうしちゃったのよ?もっと喜ばないの!?」
- 「ルリー、ちょっと来なさい」
- 「なによおじさん」
- 「いや、な。急に会わせてもお互い突然のことで話せないかもしれないだろう。すこし外させてやったらどうだ」
- 「監督!?いえっ!俺は大丈夫です!!俺も設営手伝います!!」
- 「うんそうね!マグナムエースはファイター兄弟とちょっと休憩してきて!これはオーナー命令よ!」
- 「オーナー!」
- 「ファイター兄弟もお願いね!」
- 「…は、」
- 「承知しました」
- 「オーナー!!」
- 「マグナムエース、返 事 は?」
- 「…はい…わかりました…」
- 「…アロー、フロンティアとしばらく待っていてくれ。ゴールド三兄弟に話をつけてくる」
- 「ああ、わかった」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………」
- 「…………その姿、久しぶりだな」
- 「…はい…アロー兄さん」
- 「…………兄、か…」
- 「…………」
- 「フロンティア。俺はお前に兄と呼ばれるべきなのか?」
- 「……俺の兄さんは…スピリッツ兄さんとアロー兄さんだけです」
- 「……そうか…、そうだな」
- 「!?」
- 「…ん?……ああすまない。つい…な」
- 「え、ええ。…いえっ…!…その……兄さん。大丈夫です。」
- 「ウゥン…ちょっと見に来てみたけど……マグナムエースとファイタースピリッツとファイターアローは兄弟なのにずいぶんヨソヨソしいのネィ」
- 「あの…兄さん」
- 「何だ?」
- 「その……もう一度頭を撫でて貰えませんか?」
- 「………」
- 「す、すみません!妙なことを…言いました」
- 「………」
- 「………」
- 「あら?トップジョイ慌ててどうしたの?」
- 「オーナー大変ヨ!ファイタースピリッツがいきなりマグナムエースを向こうに連れて行っちゃったのネィ!」
- 「何ですってぇ!?」
- 「兄さん一体どうしたんです!?…──…ここは…売店…?」
- 「好きなオイルを選べ。買ってやる」
- 「……っ」
- 「どうした?俺の顔になにか付いてるか?」
- 「いっ、いえ!」
- 「…気にすることはない。さっきのお前を見ていたらこうしてやりたくなっただけだ。」
- 「!!……はいっ!ありがとうございます!」
- 「本当にいいんですか?」
- 「遠慮をするな。お前の好きなものを選べばいい。」
- 「じゃあ…このオイルでお願いします」
- 「AFO?そんなどこにでもあるオイルでいいのか?そこにドーム限定のオイルもある様だが」
- 「いいんです。それに、思い出したんです。…これは昔から俺が飲んでいたものだ。昔、練習の後に兄さんから頂いていました。」
- 「そうか…そうだったな。」
- 「マグナムエース嬉しそう」
- 「あいつが弟の顔をするのはああいう時だけだな」
- 「何だか…ほのぼのするのネィ」
- 「いいわ、マグナムエース達は開場ギリギリまでそっとしておいてあげましょう。みんな!私達だけで最後まで設営やっちゃうわよ〜!」
- 「おおー!」
- 「さっすがオーナー!リーガーの気持ちが分かってるし気が利くネィ!」
- 「こらっ!トップジョイ調子に乗るな!」
- 「ソーリーソーリーネィ!あっ!まって〜置いてかないデー!」
- 「では戻るか」
- 「はい!」
- 「あっ!兄さん待ってください!」
- 「何だ?」
- 「アリーナ内は飲食禁止です」
- 「…………。」
[第十試合] 輝け!アイアンリーガー魂