アイアンリーガー寸劇〜IRON MISSIONへの道のり〜
[第十試合] 輝け!アイアンリーガー魂
- 「共にスタンド席に座って飲むなら問題なかろう」
- 「はい!兄さん」
- 「………」
- 「いつもと変わらん味だ。本当にそれでよかったのか?」
- 「いえ……いつもより…美味しいなと、思っていました…」
- 「…そうか。」
- 「ここに居たか」
- 「アローか」
- 「アロー兄さん!」
- 「めっずらしー」
- 「フット!マスク!お前等まだ終わってねぇぞ!足元もきっちり片付けろ!」
- 「馬ッ鹿、ンなわけあるか。これからいくらだって見られらァ」
- 「マスク!追加イスの申請はどうした!!」
- 「わっヤベぇ!忘れてた!!」
- 「フット!ポスタースタンドの受取りも済んでねぇぞ!!」
- 「会場内は走るんじゃねぇぞ!」
- 「分かってるって!」
- 「……ったく…」
- 「……良かったな。マグナム」
- 「…こうして座っていると昔を思い出す。」
- 「ああ。サッカー、野球、アイスホッケー…種目にとらわれず試合をここから見て研究し、お互いを高めあっていたものだ」
- 「…………俺は…もっと思い出したいです。もっと沢山の思い出があったはずなのに…兄さん達にまた会えてからも俺はまだ断片的なことしか思い出せていない…」
- 「…フロンティア、また飲みたいか?」
- 「え…?」
- 「また飲みにくるか?と聞いた」
- 「…………でも…」
- 「俺もアローも無駄な事に興味はない。だが、俺とアローがこの無意味な事を敢えてすることでお前がなにかひとつを得るのならばおそらくそれは俺達兄弟にとって無駄なことではない」
- 「俺もそう思う」
- 「……!!」
- 「だからまた、飲みに来るとしよう。」
- 「約束だ」
- 「……っ!!…はい!!」
- 「ふぅ!予定通り終わったわね!」
- 「みんなでとりかかるとやっぱり早いですね!開始まであと三十分もありますよ!」
- 「そうね!じゃあ…」
- 「オーナー。少しいいですか?」
- 「ん?どうしたのリュウケン」
- 「僕たち、オーナーに渡したい物があるんです」
- 「?」
- 「これです。開けてみてください」
- 「……………えっ、えっ!?これ…私が好きなアニメに出てくる女の子の衣裳じゃない!?どうしたのこれ!?」
- 「ブルと、ワットと、アンプと、僕で協力して作りました。オーナーに何も言わなくてすみませんでした」
- 「みんなが!?」
- 「僕達にかかりっきりでオーナーいつも全然自分の時間がないけど、半年前からとても好きなアニメがあって、録画して欠かさず見てるって監督に聞きました。大好きな女の子キャラクターも居るって…」
- 「発案はリュウケンだったんです。リュウケンはルリーオーナーに許可をもらうって言っていたんですけど、そうしたらルリーオーナーは遠慮するでしょうし当日まで内緒にしましょうってわたしたちが提案したんです」
- 「ルリーオーナーはずっとシルバーキャッスルを引っぱってきてるんだからたまには恩返ししないと!ってね!」
- 「アンプ…ワット…」
- 「服作りに造詣(ぞうけい)が深いホスピタルの看護婦さんにブルからお願いしてもらって、協力していただきました」
- 「だから…ブルは最近よくホスピタルに通っていたのね、」
- 「みんなが忙しいときにちょくちょく抜け出してしまってすみませんでしたオーナー。手伝って頂けるぶん看護婦さんにもお返しはしないといけませんからね!」
- 「ブル…作業かけ持ちなんてすごく大変だったんじゃないの?」
- 「ははっ!これくらいのことわけないですよ〜!」
- 「…………」
- 「…オーナー……迷惑でしたか?」
- 「そんなこと…ない!!とっても嬉しい!!」
- 「よかった。オーナーが喜んでくれて僕たち嬉しいです」
- 「午後になればサークルスペースも落ち着きますから」
- 「その時に一緒に着替えに行きましょうルリーオーナー!」
- 「監督からカメラも貸してもらいました!写真撮影登録も済ませた俺がばっちり撮りますよ!」
- 「うん!」
- 「僕たちサークル参加者だって、ここに居るみんなが平等な参加者なんです。オーナーも自分のやりたいことに参加してください。僕たちは大好きなオーナーに大好きなことをして欲しい」
- 「リュウケン…ありがとう!!みんなが作ってくれた衣裳であたしもいっぱい楽しんじゃう!」
- 「良いチームだな。自分のチームながら、良いチームだ」
- 「監督、これが一人では極められぬ事のひとつなのですね」
- 「十郎太、そうだな。まだまだ俺達もこれからだ。…おっと、そろそろ二十分前だ。皆を呼びに行かんとな」
- 「拙者が皆を呼んできます」
- 「…あ。」
- 「監督?いかがされた?」
- 「…そうだ、GZとシルキーもお遣いに行ってから三十分経つがまだ戻ってきていない。迷っているかもしれん。場内放送で個人的な呼び出しはできないから何とか探してきてくれないか」
- 「しょ、承知!!」
- 「十郎太!ミーも行くのネィ!一人より二人で探した方が早いヨ!一人より二人ネィ!」
- 「トップジョイ!」
- 「待てよ二人とも!二人より三人だぜ!!」
- 「ウインディ!」
- 「そうだな。頼む、十郎太、トップジョイ、ウインディ」
- 「御意」
- 「もっちろんヨ!任せるネィ!」
- 「じゃあ監督行ってきます!」
- 「ああ、頼んだぞ!」
- 「お、皆戻ってきたな。」
- 「只今戻りました」
- 「よ…よかったぁ…間に合った…」
- 「一時はどうなることかと思ったぜ!」
- 「……すまん」
- 「GZ!そんな顔しちゃダメネィ!今日は楽しいイベントなんだからずっとスマイルスマイルハッピーよ!」
- 「…!そうだな!」
- 「ただいまおじさん!」
- 「監督、戻りました」
- 「大成功だぜ!」
- 「うん?なにがだ?」
- 「ふふっ!あとでのお楽しみv」
- 「オーナー、監督、みんな!」
- 「マグナムエースお帰り!どうだった?話はできた?」
- 「はい!」
- 「よしっ!」
- 「さあ皆、あともう少しでイベントが始まるぞ!」
- 「はい!」
- 「ここは終着点じゃないぞ?ここが俺たち皆のスタートラインだ!今日から俺達リーガーのイベントは始まるんだ!」
- 「はい!」
- 「それをしっかり心に留めて今日一日を心おきなく楽しむように!」
- 「はいっ!」
- 「じゃあみんな!今日も一日張り切っていくわよ!せーのっ!!」
[IRON MISSION] 正々堂々、試合開始!!